一般的な浴室のタイルの補修例です。
今では製造されていないサイズの型番で入手不能な
半磁器タイルです。
3寸6分・・通称(サブロク)と言われた
110㎜角、前後に仕上る標準品でした。
近年のサイズは目地2㎜前後を入れて100㎜角、
前後になります。
よって近年のサイズでは10㎜不足になります。
大き過ぎるなら切断して無理やり使う事も出来ますが
・・足りません。
半磁器タイルのサブロク(3寸6分)を補修するには
在庫を持っている場合の数量しか対処できません。
現在の販売対象サイズは100・150・200角などが多いです。
一回り大きいサイズを切断しても切り口に角が立ち
素肌で接する浴室は手触りも悪く目立つので
突き付け補修は無理気味となります。
タイルの色、柄合わせは、類似のタイルが、
もし有っても、そもそも製造過程のロットが違うだけでも
完全には合わないので色柄合わせは困難です。
場合によりモザイクなど小さめの色柄違いのタイルを
デザイン組みで張れば個性が出ます。
この現場では、そんな凝ったことはせず似たような
在庫物で簡易補修に決定。
浴室の壁面タイルが、ヒビ割れや剥離したり、
埋め込みの陶器製、石鹸入れがガタガタで
隙間が大きくなっています。
ひび割れで見た目も悪く防水不良となっています。
石鹸入れを外してみると、こんな感じです。
なぜ、こんな事になるのか?
原因は下地が不安定で強度不足だと思います。
下地は木製ラス地板に防水紙とラス網の
モルタル薄塗り下地にダンゴ張りタイルです。
昔からある、普通のパターンですが強度の違いは
モルタル薄塗りに直張りせずに
モルタルの中塗りが、もう1工程、有ればかなり強度と
下地の安定度合いは増します。
しかし昔の作業内容では特別な要望がなければ、
そんなに手間は掛けません。
下地が木材だから弱いとは限らず、コンクリートブロック積みの
下地にタイル張りでも割れる時は割れます。
むしろ・・硬すぎる躯体に直接張ると躯体のクラックと共にか
クラックが無くとも素材、収縮率の違いなどで
細かい割れが入る場合が有ります。
防水不良の影響は床下に潜る機会があったのでタイル壁面の
裏面付近を調べると・・こんな感じで限界です。
コンクリート基礎に水漏れ跡がたくさんあります。
土台とネダカケにも水腐れが有ります。
この部分の補修は浴室内のタイル補修とは
関連性は、ありますが別工事として御客様には報告。
タイル壁面はヘタに触ると壁下地全体が下がったり
崩れる影響を受けるので賃貸物件でも有り
本格的な改良工事はしないオーナー様の意向で
簡易対処に決定。
簡単にタイルが剥がれる部分だけ張替。
ひび割れなど、その他は目地セメントだけで
埋める補修です。
補修内容は次のページに替わります。