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軒先改良工事1(越境の後退と納まり変更01)

軒先が越境している場合の対処事例です。

境界ギリギリの建物は、あらゆる所で存在し、

時には大問題にもなります。
 

最近の建て方では、御隣様とも双方が

後退距離を、わきまえて建てる事が多いですが、
無理を知らずに境界いっぱいに建てる事があります。

その時に越境しないつもりで工事をするのですが・・
最終仕上で、すぐに越境に気付いたり、

長年問題に気付かない事もあります。
 

御隣、双方とも穏やかな性格であれば多少の事なら

黙認して頂ける場合もありますが、
もし、何かの影響で険悪な関係になれば、「御互い様」の

気持ちは無くなり些細な行き違いから誤解が生まれ

ヘタすると御互いに敵対意識となります。

場合によってはそれを切っ掛けに、些細なことから

事件になる場合があります。
 

今回の現場は軒先の越境としては良く有るパターンで、

この程度なら、ほとんどが「御互い様」で済む程度です。

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敷地境界と建物が斜め空き寸法の為に軒先のトイが

境界ギリギリで一部、 越境している部分があります。

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境界いっぱいなので大雨の時にトイの雨水が

オーバーフローすると隣地に、こぼれ落ちます。

積雪の時は解けて落ちる時には大きな音と共に

雪の塊りが隣地に落ちます。

 

こんな時は、黙認していても・・実害となります。

有る程度の寸法で後退していても飛び跳ねて

隣地に落下する事も有ります。

 

自然の不可抗力での飛び跳ねで色々な物が隣地に飛び込んでも、

許せる人と・・激高する方が居られます。

建物が接近していれば御互い様ですが話し合いや、

状況がこじれると・・納まりがつかなくなります。
 

そもそも、隣地境界線は敷地付近で最初から確認できるのに

・・なぜ越境するのか?

考えられるのは大工が軒先の納まりを決定する時の判断次第で

左右される事は多いはずです。

瓦の出鼻寸法まで考えて軒端の長さを予測して

施工するのは基本です。

しかしそれに軒トイの先がどれくらい出るのか?は、

見逃す場合があります。
 

別な固定観念として誤り易い事としては・・大工の立場とすれば

軒先寸法は短過ぎると格好が悪く、長いほど重厚に見えて、

家の姿が良く見えると信じ、軒先は長め好みにする傾向が多いです。

特に昔の本家普請を得意とする大工さんは瓦一枚や半枚の差でも

軒の切り過ぎは嫌がります。

極端な場合は境界の位置は、あまり眼中に無い事があります。

 

最初から指摘し注文を付けておかないと勝手に納めて長過ぎたり・・

短すぎたり・・も有ります。
 

まず設計では間取りなどの大きさは、敷地境界線内なら、

すべて寸法的には納まるはずで、後は外壁の施工スペースが有れば問題なく、

屋根の形では見た目の格好を良くするのが使命とも感じます。

そもそも新しい分譲地での新築当時は境界には杭が有っても

塀などは無くて、後から作られます。

境界への目標物が無く気にならない事情があるかも知れません。

やはり設計監理者や現場監督がハッキリと軒先ではトイ先の

納まり寸法または境界線は
具体的に説明し注意点などを指示する必要があります。
 

この現場では反対側の軒先は境界以内で十分に納まっています。

微妙な斜め形状の敷地なので監督や大工が軒先の寸法を

決定する時に巾の広い側で寸法確認をして
反対側が狭い斜めの敷地で越境している事を

見落としたかとも思います。

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もう1つの問題は軒先の出を決める時は瓦の働き寸法を

一枚数で判断し半瓦や切断を考慮しなかったのかも?

瓦の働き寸法一枚の差で・・出すか?引っ込めるか?の判断を

しなければならない時が有ります。

この現場では和型スレートなので流れの働き寸法は

メーカーや品種によりますが一枚当たり約26㎝前後です。

一枚数の判断だけで単純に考えれば約26㎝引っ込めて

軒先を切断するか?否か?の判断となります。

この現場で瓦一枚を後退して短い軒先にしてしまうのは

格好が悪く辛かったと思います。

しかしトイが越境してしまうならせめて半瓦を最上部で

使用する事にすれば予定よりは約13㎝の後退となり

瓦屋さんは少し面倒にはなりますが軒トイの越境は、

何十年も得て隣同士で険悪な問題に、ならなかったはずです。

たかが約13㎝の後退をする判断を誤っただけで

他人を不幸にする原因へと繋がる判断ミス。

 

この辺りは現場監督や設計監理者の責任領域です。

しかし大工としては、これらも含めて軒先の長さ決定では

考慮し納めてほしい所です。

 

私も似たようなミスは有ります。(^_^;)
 

まだ軒樋の出巾だけの考慮では済まない・・別な落し穴が有ります。

軒トイの外には集水器の飾り部分として3~4㎝ほど出っ張りが

ありますので、それも越境しないように、注意が必要かと思います。

いよいよ施工に進みます。