ドアの開閉不良で全体下がりの場合です。
①~②の原因が伴う事も有りますが転びではなく
全体の下がりによる不具合の場合には他に2例ほどの原因が起こります。
開閉の頻度が多いドアでは丁番金物の部品消耗や
元々、取り付け時から後で下がりうるビスの止め方で有ったりします。
丁番ビスの取付には穴に対する僅かな遊びに対して
どの位置で固定されるか?ビス位置が影響を及ぼします。
最初の取付時にはドアの隙間が上はギリギリで下は多少隙間が多めでも
後で下がり気味になるので、丁度良い位置加減となります。
そして丁番の取付途中で微調整できる手加減の一つが
ビス穴の遊び位置の何処にビスの先を捻じ込み、
どの方向に修正を強制させるか?が可能となります。
上の図↑ではA位置がド真ん中で自然な位置ですが
周辺には均等に遊び代が有ります。
B・・の位置を狙うとビス頭が沈むと最初の位置より
1~2㎜は丁番が上がります。
C・・は逆に下に下がろうとします。
D・・は扉の閉まった位置が外に出過ぎの場合は
中に入り込む為に内寄りになります。
E・・は逆に扉が内に入り過ぎて戸当たりなどに干渉して
閉まりにくい時は外に出します。
断面図で一部分の当たり方とビス頭の沈み込んだ状態の違いを
説明すると下図になります。
以上は下地が木材で木ネジの場合に通用する
基本的なアナログ知識・技能の事例です。
鋼製下地や金属枠などで木ネジが使用できない
タッピングビスの捻じ込みや
捨て穴をあけてからφ4~5㎜のタップ工具で
ネジ切り加工してから正確なビス止めも
最初の位置決めなどには、ほぼ共通する微調整の基本例です。
色々なビス止め位置での微妙な結果を何十回と体験しますと
自然と辿り着く最終的に定番となる体感で得るノウハウです。
経験者なら何でもない当たり前の事ですが・・
練習や現場の本番で実体験しないと具体的には把握しにくい
アナログ知識・技能のノウハウで最小単位の単体ピースです。
最近では偏芯ネジなどの組み合わせにより別な機能で
上下や各種出入りや角度などが後から自由に調整可能な
既製品のドアと専用枠や専用金物が主流で、
それには、まったくアナログ手法は通用しませんが・・
基本対策例としては今後も、まだまだ続くので
地味ですが必須かと思う単体ピースです。
次はドアの開閉不良対策事例4/6に続きます。お楽しみに。